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税務トピックス 2022月10月25日

雇用調整助成金の支給額上限引き下げ

新型コロナウイルスの流行を受けて上限や助成率が引き上げられている「雇用調整助成金」について、厚生労働省は10月以降、助成金の上限額を引き下げることとしました。

 雇用調整助成金は、景気の変動や産業構造の変化などの経済的な理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に雇用調整を実施して従業員の雇用を維持した時に受け取れる助成金のこと。「休業」、「教育訓練」、「出向」の3つのタイプがあり、新型コロナウイルスの流行を受けて、「休業」タイプの利用が増加しています。

 コロナ禍で、同助成金の助成内容は大幅に拡充されています。改定前の助成額の上限は中小企業であれば従業員1人1日当たり9千円で、助成率は10分の9。さらに「業況特例」として、最近3カ月の売上高が前年・前々年・3年前との同期比で30%以上減少していれば、助成額の上限は1日1万5千円、助成率は10分の10まで引き上げられることとなっていました。

 しかし厚労省が開いた審議会で、コロナ禍からの経済の回復が進み雇用情勢も改善しているとして、これらの上限額を引き下げることを決定しています。業況特例では、1日当たり1万5千円となっている上限を、1万2千円に引き下げ。またそれ以外では1日9千円となっている上限を、8355円に引き下げました。一方、助成率は現行基準を維持しています。

 上限の引き下げについて審議会では、委員から「第7波のなかではあるが、以前と比べ雇用への影響は抑えられている」など理解を示す声が上がった一方、「まだ影響が残る産業もあり、引き続き状況を注視し、必要に応じて対応していくべき」といった意見もありました。

 引き下げ後の基準は10月・11月の2カ月間運用し、12月以降については改めて検討するそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2022月10月25日

《コラム》令和4年度地域別最低賃金

◆47都道府県で30円~33円の引き上げ
 令和4年地域別最低賃金改定額が中央最低賃金審議会で取りまとめられ公表されました。各都道府県労働局長の決定により10月1日より順次発令されます。
 地域別最低賃金は全国整合性を図るため目安額のランクを設けていますが、改定額を見て行くとAからDの47都道府県すべてが30円以上引き上げられ東京都は時給1,072円と最高です。
 最高額1,072円と最低額853円の金額差は219円です。低水準の地域の上げ幅が高まり差は少し縮まりました。

◆引き上げ額全国加重平均31円過去最高
 近年最低賃金は引き上げの流れが続いていていましたが、新型コロナウィルス禍からの経済再開が本格化し、各地で人手を求める動きが強まっています。賃金水準が高い地域に隣接する地域では、労働力の流出を抑えるための賃上げに動きます。さらに物価上昇も上乗せを後押しします。ただし最低賃金を上乗せしても物価高で手取りはあまり増えないという意見もあります。
 今後もデジタル活用、省力化等生産性向上に労使が努めることで賃上げは実現するのでしょう。

◆令和4年度の改定額は以下の通り
・30円改定
宮城 883円 福島 858円 群馬 895円
石川 891円 福井 888円 岐阜 910円
奈良 896円 岡山 892円 和歌山 889円
香川 878円 福岡 900円
・31円改定
東京 1072円 大阪 1023円 愛知 986円
千葉 984円 神奈川 1071円 埼玉 987円
北海道 920円 青森 853円 秋田 853円
栃木 913円 新潟 890円 富山 908円
長野 908円 静岡 944円 三重 933円
滋賀 927円 京都 968円 広島 930円
山口 888円 徳島 855円
・32円改定
山形 854円 茨城 911円 山梨 898円
兵庫 960円 愛媛 853円 佐賀 853円
長崎 853円 熊本 853円 宮崎 853円
大分 854円 鹿児島 853円
・33円改定
岩手 854円 鳥取 854円 島根 857円
高知 853円 沖縄 853円

コラム 2022月10月18日

《コラム》相続から3年以内の遺産分割

遺産分割協議が長引いても、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合は、小規模宅地等の課税価格の特例や配偶者の税額軽減の特例を受けることができます。

◆3年以内の分割見込書の提出
 特例を受けるには、相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10か月以内)までに遺産分割を行う必要があります。
 ただし、未分割の場合でも、申告期限から3年以内に分割見込みがあるときは、特例の適用がない状態で相続税の申告書を作成し、申告書と一緒に「申告期限後3年以内の分割見込書」を税務署に提出します。
 申告期限から3年以内に遺産分割が終了したときは、特例の適用を受けて、分割が行われた日の翌日から4か月以内に更正の請求を行うことができます。

◆やむを得ない理由がある場合の承認申請書
 なお、申告期限後3年を経過する日に、裁判や調停など、やむを得ない事情により分割未了のときは、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月以内に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出して承認を受けます。判決確定等を受けて4か月以内に分割されたときも更正の請求ができます。

◆土地の遺産分割協議日に注意!
 相続税の申告期限から3年以内に、土地の遺産分割を行い、遺産分割協議書を作成して相続登記したものの、預金など他の財産の遺産分割協議が長引き、遺産全部についての分割が終了してから更正の請求をした場合、土地の遺産分割協議書作成日から4か月以内に更正の請求をしていないときは、小規模宅地の特例を受けることができなくなりますので注意しましょう。

◆遺産分割は相続開始後10年までに
 所有者不明土地の発生を予防するために、改正民法では、令和5年4月より遺産分割未了のまま相続開始から10年経過したときは、画一的な法定相続分で遺産分割されることになりました。
 また、令和6年4月より不動産の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請が義務化されます。ただし、遺産分割未了の場合でも相続人申告登記を行い、登記名義人の法定相続人である旨を申し出ることで申請義務を履行したものとされます。これらの措置は、施行日前の相続にも適用されますので、早い機会に遺産分割協議を進めることをお勧めします。

コラム 2022月10月18日

《コラム》老人ホームへの入居と税法特例の適用の可否

◆老人ホーム入居後自宅売却
 居住用家屋を空き家にして夫婦で老人ホームに入居したケースで、入居後に、居住用不動産の所有者だった夫がそれを売却したときは、入居から3年経過後の年末までなら居住用財産譲渡の3000万円特別控除の特例の適用があります。その間の建物の用途は問われません。親族に使用させていても構わないし、貸家として第三者に賃貸していても可です。

◆相続配偶者の小規模特例適用と売却
 老人ホームで夫が亡くなり、配偶者が空き家のままだった自宅を相続する場合には、相続税の小規模宅地の減額特例は、取得者が配偶者であるため無条件に適用できます。その後、その配偶者が老人ホームに入居継続のまま相続した自宅を譲渡した場合には、居住用財産譲渡の3000万円特別控除の特例は適用できません。最高裁判例が「所有者として居住の用に供していたことがない」とこの特例の適用は出来ないとしているためです。事前に配偶者への居住用財産の2000万円非課税贈与を適宜な時期にしていたら、よかったところです。

◆相続配偶者の空き家特例適用の要件①②
 それではこの場合、相続空き家譲渡の3000万円特別控除の適用は、どうでしょうか。こちらについては、相続開始時の被相続人の居住用という要件①については、要介護認定等を受けての老人ホームへの入居の場合なら、その入居時において居住用であることを要件充足としているので、これはクリヤーできそうです。でも、もう一つ、老人ホーム入居直前の独居状況も要件②としているので、夫婦一緒での入居の場合は適用となりません。

◆「家なき子」相続の場合の小規模特例適用
 また、この譲渡を実行せず、そのままこの配偶者が老人ホームで亡くなった場合、次の子供達への相続で、「家なき子」の要件を充足する相続人がいたとして、その者が相続した時は、小規模宅地の特例の適用は可能でしょうか。被相続人は、老人ホーム入居直前に於いて居住用に利用していましたものの、その時は所有者ではありませんでしたが、この場合の判定の結果は、適用可です。所有者であることを前提とする法令上の要件規定や先行判例が無いためです。東京国税局の文書回答事例でこれを是とする見解がネット上で公開されています。

コラム 2022月10月11日

《コラム》短時間労働者への社会保険適用拡大

◆企業規模により段階的に適用拡大
 現行では、短時間労働者の社会保険の加入については、従業員501人以上の企業が対象ですが次のように段階的に適用範囲が拡大されます。
・2022年10月~従業員数101人以上の企業
・2024年10月~従業員数51人以上の企業

◆2022年10月からの短時間労働者の要件
1.週の所定労働時間が20時間以上あること
 1週間の所定労働時間が変動する場合は平均で算定します。例えば1か月の労働時間を12分の52で割ると1週間の平均時間が算定されます。
2.雇用期間が2か月以上見込まれること
 現行では雇用期間1年以上見込みでしたが変更され、2か月以内の定めがある雇用契約でも「契約更新される」可能性がある場合は最初に定めた期間を超えた時からでなく当初からの加入となります。
3.賃金月額が8.8万円以上(年収106万円以上)であること
 ここでいう賃金とは、時給日給なども月額に換算した場合です。割増賃金や通勤手当等は除きます。
4.学生でないこと
 卒業見込みで引き続き勤務予定の者、休学中、夜間部の学生等は対象になります。

◆自社は対象になるか?
 従業員数は現在の厚生年金適用対象者(常用労働者とその4分の3以上の労働時間の者)でカウントします。それ未満の時間のパートは含みません。
 直近12か月のうち6か月で平均101人以上であれば対象です。

◆これからの対応
 対象事業所ではすでに対象者に説明会や個人面談を行ったことでしょう。社会保険制度では傷病手当金や出産手当金等の補償や、老齢年金も増額もされること、配偶者の健保の扶養から外れると本人の保険料負担が発生し、手取りも変わること等説明しましょう。それにより労働条件を変更する場合もあるかもしれません。
 8月中に日本年金機構から対象事業者に文書が送られます。実際の手続きは10月1日以降ですので、事前準備をしておきましょう。

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