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コラム 2022月09月20日

《コラム》財産債務調書制度等の見直し

◆財産債務調書とは?
 令和4年度税制改正において、令和5年分以後の「財産債務調書」の提出義務者・提出期限などについての見直しが行われました。
 財産債務調書は、
① その年分退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超える方
② ①の方の中でその年の12月31日において、合計額が3億円以上の財産又は1億円以上の有価証券や未決済信用取引等の国外転出特例対象財産を有している方
③ または、その年の12月31日において、10億円以上の財産を有する方
が提出義務者となっている、財産の種別や数量、価格等を税務署に知らせるものです。
 ③については令和4年度税制改正において追加された事項になります。

◆改正で柔軟化
 提出期限については翌年の3月15日が6月30日へ延長されました。また、記載を簡略化できる範囲が拡大されたものがあります。
 家庭用動産については改正前は取得価格が100万円未満の場合、記載を省略できましたが、改正後は300万円未満に拡大されました。
 事業用の未収入金や事業の用に供する未払金等は、100万円未満であれば件数や総額で記載してよいとなっていたものが、改正後は300万円未満となりました。
 預入高が50万円未満の預貯金口座については、預入高の記載を省略可能になりましたが、その場合は備考欄等に口座番号の記載が必要です。

◆アメとムチは変わらず
 財産債務調書を提出期限内に提出した場合には、調書に記載がある財産債務に関して、所得税等・相続税の申告漏れが生じた場合、その財産債務に係る過少申告加算税等が5%軽減されます。
 逆に、調書を提出期限内に提出しなかった場合や、提出された調書に記載すべき財産債務の記載がない場合、所得税等の申告漏れが生じた時は、その財産債務に係る過少申告加算税等が5%加重されます。

税務トピックス 2022月09月20日

長期譲渡の控除制度、利用5千件超

 長期譲渡所得の100万円控除制度の利用状況について国土交通省が発表しました。制度が開始された2020年7月から21年12月までに、自治体が「低未利用土地等確認書」を交付した件数は5150件。全ての都道府県で交付実績があり、平均して約110件となります。また譲渡前の状態は、空き地が約5.5割、譲渡後は住宅としての利用が約6割。所有期間については30年以上保有している土地が約6割でした。

 この控除制度は、個人が保有する低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の金額から100万円を控除するというもの。地方部を中心に全国的に空き地・空き家が増加するなか、新たな利用意向を示す者への土地の譲渡に関する税負担を減らすことで、土地の有効活用を通じた投資の促進、地域活性化、更なる所有者不明土地の発生の予防を図ることを目的としています。20年7月1日から開始していて、今年12月31日に終了します。

 新たな特例措置は、土地とその上物の譲渡の対価の額の合計が500万円以下で、かつ都市計画区域内の低未利用土地という要件を満たす取引について、売主の長期譲渡所得から最大100万円控除できます。宅建業者が空き家となっている中古住宅を買い取って、一定の質の向上を図るリフォームを行った後売却する(買取再販)場合も含まれます。

 自治体が低未利用土地等の譲渡に対して確認書を交付した5150件の平均の譲渡対価の額は247万円。都道府県別に確認書交付数をみると、北海道が351件でトップ、次いで茨城県325件、鹿児島県244件、静岡県239件と続きます。市町村別では、宮崎・都城市が94件で最も多く、山形・鶴岡市64件、三重・津市57件でした。

 石川・輪島市の事例では、相続によって、老朽化した空き店舗を取得しましたが、相続人は遠方に居住していて、管理が負担になっていたそうです。宅建業者に空き家バンクの登録の相談をしたところ、宅建業者の紹介で購入者が現れたとのことです。特例措置により、譲渡による税金が減額されることから、これが売却価格交渉のきっかけとなり、売却額500万円で取引が成立。買主は購入後、改修し、ライダーのためのガレージハウスとして使用しているそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2022月09月13日

副業節税に「待った」

 コロナ禍で増えたサラリーマンの副業を巡り、赤字を作って給与所得を減らす節税スキームが規制される見通しです。国税庁は8月に所得区分の見直し案に対するパブリックコメントの募集を実施しました。

 見直しの対象となっているのは、事業所得と雑所得の税務上の扱いの違いを利用して所得を減らす手法。10種類ある所得区分のうち、サラリーマンが行うような副業は主に「雑所得」となりますが、継続性や規模によっては「事業所得」となります。雑所得であれば、他の所得との損益通算ができません。一方、事業所得と認められれば、他の種類の所得で出した損益を通算することが可能。そのため、副業の事業所得で経費を多く計上してあえて赤字を出すことで、給与所得と通算して税額を減らすケースが散見していました。

 国税庁が今回パブコメとして公表した案は、副業収入が300万円を超えないかぎり、原則として雑所得として扱うというもの。今年分の所得税から新たな扱いを適用するとのことです。

 注意点としては、あくまで「300万円基準」は原則で、絶対ではないということ。300万円を超えなくても事業実態が伴っていれば事業所得と認められる可能性もある一方で、超えたからといって必ず事業所得になるわけでもありません。

 改正案に対する意見の募集は8月31日に締め切られました。寄せられた意見によっては微調整が加えられることがあるものの、おおむね今回公表された改正案で新制度がスタートする見通しです。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2022月09月13日

ふるさと納税 寄付額が過去最高

 任意の自治体に寄付をすると住んでいる場所で税優遇を受けられる「ふるさと納税」制度に基づき、2021年度に全国の自治体が獲得した寄付金の総額が8千億円を超え、過去最高を更新しました。前年度の6725億円から1千億円以上伸びたことになります。長引くコロナ禍で巣ごもり需要が増え、地方の特産品だけでなく、日用品や食料品などの返礼品も人気を集めています。

 21年度の寄付総額は8302億円。制度が始まった08年度の100倍超となります。寄付件数も4447万3千件で過去最高を記録。納税額が最も多かったのは、北海道紋別市で152億9700万円。宮崎県都城市が146億1600万円、北海道根室市が146億500万円と続いています。

 ふるさと納税制度は、任意の都道府県・市区町村に寄付をした場合に、今住んでいる場所で納める所得税や個人住民税から税額控除を受けられる制度。地域間の財源格差の是正や、生まれ育った故郷を応援したいという声を受けて始まりました。開始当初の利用は伸び悩みましたが、11年に発生した東日本大震災をきっかけに、被災地への復興支援の新たな形として認知度が拡大。その後、各地の特産品を実質2千円で受け取れる返礼品の人気が爆発し、同制度を利用した寄付金額は、返礼品を規制した19年度を除き、右肩上がりで増え続けています。

 1月1日から12月31日の間に行われた寄付額が次の年の住民税などから差し引かれる仕組みのため、来年に税優遇を受けたければ年内に寄付を済ませる必要があります。年末が近づくにつれて「今年分の寄付を済ませておかないと」と考える人は多くなるので、年の瀬ともなると各ポータルサイトにはアクセスが殺到します。そうでなくても人気の返礼品は数に限りがあるため、秋ごろになれば目当ての返礼品が〝品切れ〟ということもざら。ここは賢く、今のうちにふるさと納税をゆったり行うことも検討したいところです。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2022月09月6日

(前編)2020事務年度における消費税還付申告法人の実地調査結果を公表!

国税庁は、2020事務年度における消費税還付申告法人の実地調査結果を公表しました。
 それによりますと、2020事務年度(2020年7月から2021年6月までの1年間)において、新型コロナの影響により調査事務量の減少等から、法人税調査件数が大幅減少傾向にある中、消費税還付申告法人への追徴税額が前年を上回りました。

 具体的には、同事務年度に実施した法人消費税の実地調査は2万5千件(対前年比▲69.8%、▲はマイナス)で、このうち1万6千件(対前年比▲63.2%)から非違が見つかり、729億円(同0.9%増)を追徴しました。
 消費税還付申告法人についてみてみますと、3,066件(同▲47.5%)に実地調査を実施し、このうち510件の不正を含む2,073件(同▲37.8%)から非違が見つかりました。
 これによる追徴税額は前年比3.0%増の219億円(うち不正還付は34億円)となり、調査1件あたりの追徴税額は同96.2%増の714万円にのぼりました。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、令和4年8月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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