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税務トピックス 2022月03月22日

税の負担率、過去最高の48%見通し

国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す「国民負担率」が、2021年度は48%に達し、過去最大となる見込みであることが分かりました。財務省が2月中旬に発表しました。所得が増えたものの、税金の増加がそれを上回るとのことです。一方22年度は46.5%で、7年ぶりに低下すると試算しました。

「国民負担率」は、個人や企業の所得などをあわせた国民所得に占める税金や社会保険料の負担の割合で、公的負担の重さを国際的に比較する指標。財務省の発表によれば、21年度の国民負担率は、前年度から0.1ポイント上がって48.0%となり、これまでで最大となりました。企業業績が回復したことで所得が増えたものの、法人税などがそれを上回る伸びとなったことから負担率がわずかに上昇しました。

また国の財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、3回の補正予算を組んだ前の年度と比べて今年度は財政赤字の額が少なかったため2.1ポイント減少し、60.7%となる見込みです。

財務省は同時に、22年度の負担率も試算しました。それによれば22年度は国民の所得の改善がさらに見込まれるとして、国民負担率は1.5ポイント下がって46.5%となり、7年ぶりに低下する見通し。潜在的な国民負担率も3.8ポイント下がって56.9%となる予想とのことです。

国民負担率は、高齢化による社会保障費の増加の影響などで1970年度以降増加傾向が続いています。ただ諸外国をみるとフランスが67.1%。ドイツが54.9%など、日本は先進国の中では負担率が相対的に低いのも事実です。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2022月03月15日

【時事解説】危機になるほど注目度が高くなる手元流動性 その1

新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の停滞は深刻です。通常の売上のほとんどが失われれば、企業は資金繰りに窮し、存亡の淵に立たされます。そうした企業において、焦点があたるのは当面の支払い能力である流動性です。流動性の概念には幅がありますが、危機が深まるにつれ、焦点が当たる流動性の範囲は狭まります。

もっとも一般的な支払い能力の判断指標は流動比率(流動資産/流動負債)です。流動資産は短期に現金になることが予想されている資産で、流動負債は短期に支払期限が到来することが予想される負債です。したがって、両者を比較することにより、短期に支払うべき負債に対して保有する、短期に現金化できる資産の割合が把握できます。ただ、流動資産には実際には短期に現金化できない資産も含まれていますので、流動比率は200%以上あるのが望ましいとされます。

流動比率の最大の欠点は、分子である流動資産に在庫が含まれていることです。在庫は流動資産の中に占める割合が大きいにもかかわらず、売却される金額と売却される時期が確定しておらず、支払い手段としての確実性に欠けるからです。そこで、より短期の支払い能力として重要視されるのが当座資産です。当座資産は現預金、短期で運用される有価証券、売掛金から成ります。そこに在庫が含まれないことが重要です。その当座資産と流動負債を比較した当座比率(当座資産/流動負債)が流動資産より確実性の高い支払い能力を示す指標になります。当座比率は100%以上あれば安心だとされます。流動比率も当座比率もどちらかといえば、経済が安定している時の支払能力を示す指標です。危機が本格化すると、すぐ支払いに使えるキャッシュがどれだけあるかが重要です。それが手元流動性です。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

税務トピックス 2022月03月15日

【時事解説】危機になるほど注目度が高くなる手元流動性 その2

手元流動性とは当座資産から売掛金を除き、現預金とすぐキャッシュに変換可能な短期運用の有価証券から成ります。手元流動性は今すぐに支払い手段として使える現預金相当額です。

手元流動性比率(手元流動性/月商)は手元流動性が何か月分の売上に相当するかを示しています。今回のコロナ危機のように急速に売上の減少に見舞われたとき、何カ月分の売上の喪失に耐えられるか、ということを表現しています。つまり、企業の直近の耐久力を示しているものだといえます。

もっと厳密に企業のギリギリの耐久力を示すのは、手元流動性と固定費の比較です。固定費とは売上があろうがなかろうが関係なく支払い続けなければならない、人件費、家賃などの固定的な費用です。売上がゼロになっても耐えられる最終的な企業の耐久力は、手元流動性が固定費の何か月分あるかで判断されます。

流動比率や当座比率は流動負債との相対比較ですから、短期借入金を借りて現預金を増やしても分子と分母が同時に増えるだけで、比率はさほど改善しません。しかし、手元流動性比率は、短期借入金を借り入れて現預金を増やせば、向上します。本当の緊急時には企業の借入能力も問われており、借入金を増やしても手元流動性を厚くすることが求められます。ただ、借入金の増加による手元流動性の増加は当面の資金繰りには役立ちますが、長期の財務の安定性にはマイナスに作用することは注意しなければなりません。

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

コラム 2022月03月8日

《コラム》研修の助成金を使うとキャリアアップ助成金が増額

◆キャリアアップ助成金とは
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者等、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取り組みをした事業主に対して取り組み内容に応じて助成する制度です。今までよりもさらに給付が拡充しました。

◆人材開発支援助成金特定訓練コースを利用
①実務経験のない有期契約社員等に研修を実施
②最低20時間以上のOFF-JT研修を実施
(OFF-JT研修とは通常の生産活動と区別して業務外で行われる事業内または事業外職業訓練)

研修の流れは次のようになります。
①社内研修は20時間のOFF-JTの受講で1時間につき760円の助成金を賃金助成として申請できます。代表者や社員が講師になっても対象になります。
②社外での研修費用の70%が経費助成されます(上限15万円/人)。
③キャリアコンサルタント面談、ジョブカードの作成、訓練日報を作成します。
④この後キャリアアップ助成金正社員化コースを利用し有期契約社員を正社員に転換し、6か月勤務すると申請できます。通常は1名につき57万円の助成金ですが、研修を経て正社員へ転換した場合は通常の助成金額に加え1人当たり95,000円の加算助成金が受給できます。

◆受給の研修事例
例えば有期契約社員で入社から2か月間に合計300時間の研修を実施(OFF-JT 30時間+OJT 270時間)した場合、
ア. 1時間760円×300時間=228,000円
イ. キャリアアップ助成金の申請は通常雇用から最低12か月かかるところ、研修の助成金を受給していると有期雇用期間が6か月から2か月に短縮されます。つまり8か月で申請できます。
キャリアアップ助成金57万円と加算金95,000円で=665,000円受給できます。
新人に研修を必要とする職種であればすでに研修を行っていると思いますし、くり返し使えるので利用されると良いでしょう。

コラム 2022月03月8日

《コラム》183日以上滞在した場合 米国から帰国した者の外国税額控除

◆米国に183日以上滞在して帰国した場合
新型コロナウィルスの変異株「オミクロン株」の世界的な感染拡大。令和3年末より政府の水際対策も強化されました。外国から帰国された方も関係者も大変ですね。
ここでは、次のような米国からの帰国者の所得税の事例を検討してみましょう。
・日本の法人の社員A(日本人)が年初に米国へ5月までの予定で派遣された。
・予定が長引き、11月まで米国に滞在して日本に帰国した。

◆米国の連邦個人所得税の取扱いは?
グリーンカードを有していない日本人は、次のSubstantial Presence Test(実質滞在テスト)を満たす場合、米国の税務上、米国居住者として取扱われます。
① その年度の米国滞在日数が累計で31日以上であること。
② その年度の滞在日数、前年度の滞在日数の3分の1及び前々年度の滞在日数の6分の1の合計が183日以上であること。
Aさんは、①と②を満たすため、米国居住者とされ、その年分の課税所得についてIRS(内国歳入庁)に個人所得税申告書(Form1040)を作成し、申告納税を行わなければなりません。申告期限は翌年4月15日ですが、最長10月15日まで延長できます。

◆日米租税条約(短期滞在者免税)は?
日米租税条約14条(給与所得)には、短期滞在者免税の規定があります。Aさんは、12カ月の期間を通じ滞在期間が183日を超えており、この規定は適用されません。

◆日本の所得税の取扱いは?
Aさんは派遣期間が予め1年未満とされており、出国時に日本居住者とする取扱いをしている場合には、変更する必要はありません。この場合、Aさんは、日本居住者として、全世界所得につき日本の所得税の申告義務を有することになります。

◆米国申告4月。外国税額控除はどうする?
この場合、米国と日本の所得税が二重に課税されてしまっているので、日本側で外国税額控除を適用できます。ただし、米国の申告期限が4月15日なので、日本の申告期限に間に合わないことも有り得ます。
実務では、当年分の所得税申告で明細書を添付し、翌年分に外国税額控除余裕額を繰越すやり方も考えられます。

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