お知らせ/トピックスTOPICS

税務トピックス 2020月11月3日

年末調整の電子化対応スタート

年末調整の電子化に対応した国税庁のソフトが10月に公開されました。従業員が作成する保険料控除申告書などを作成するソフトでは、質問に答えることで作成すべき控除申告書が分かる「控除ナビ」の機能のほか、控除額の自動計算や扶養親族の生年月日入力で特定扶養親族の有無を自動判定する機能もあります。ソフトは、①Windows版、②Mac版、③Android版、④iOS版があり、①と②は国税庁ホームページか公式アプリストアで、③と④は公式アプリストアから無料でダウンロードできます。

このほか、マイナポータルと連携することで控除証明書などの必要書類データを一括取得して各種申告書を自動入力できる仕組みも始まりました。マイナポータルは政府が運営する個人サイトで、マイナンバーの取得が前提のサービスです。2万円の買い物で5千円分のポイントがつくマイナポイント制度と同様、マイナンバーカードの普及に向けた施策の一環で、低迷する取得率を上げるための必死さが伝わってきます。

さらに10月28日からは、AIによる税務相談が始まります。「チャットボット」と呼ばれるもので、これは「チャット(会話)」と「ロボット」を併せた造語です。質問内容を入力すると、チャットボットの「税務職員ふたば」が年末調整の相談に応じます。24時間いつでも質問可能です。来年1月中旬からは所得税の確定申告の相談も開始する予定ということです。

なお年調ソフトやマイナポータル連携、チャットボットの詳細については、国税庁のホームページの「令和2年分からの年末調整の簡便化について」で解説されています。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2020月10月27日

(後編)2019年度査察白書:査察の告発事案は100%有罪!

(前編からのつづき)

ちなみに、刑罰は10年以下の懲役に、罰金は1,000万円(脱税額が1,000万円を超える場合は、脱税相当額)以下となっております。
いわゆるマルサといわれる査察は、大口・悪質な脱税をしている疑いのある者に対し、犯罪捜査に準じた方法で行われる特別な調査をいいます。
そして、調査にあたる国税査察官には、裁判官の発する許可状を受けて事務所などの捜査や帳簿などの証拠物件を差し押さえたりする強制捜査を行う権限が与えられます。

この査察調査は、単に免れた税金や重加算税などを納めさせるだけでなく、検察への告発を通じて刑罰を科すことを目的としております。
1980年に初めて実刑判決が出されて以降は、毎年実刑判決が言い渡されております。
すでに着手した査察事案について、同年度中に告発の可否を最終的に判断(処理)した件数は165件で、このうち検察庁に告発した件数は70.3%(告発率)にあたる116件あったことからも、査察の対象になると、約7割程度が実刑判決を含む刑事罰の対象となりました。

(注意)
上記の記載内容は、令和2年9月7日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2020月10月27日

(前編)2019年度査察白書:査察の告発事案は100%有罪!

 2019年度査察白書によりますと、2019年度中に一審判決が言い渡された124件の100%に有罪判決が出され、うち5人に対し執行猶予がつかない実刑判決が言い渡されました。
実刑判決で最も重いものは、査察事件単独に係るものが懲役10ヵ月、他の犯罪と併合されたものが懲役9年でした。

事例では、A社はプロセッサ開発・製造・販売等を行うもの会社ですが、架空の外注費を計上するなどの方法により所得を隠し、多額の法人税及び消費税を免れておりました。
同社の元代表者Bは、詐欺罪との併合事件として、法人税法、消費税法及び地方税法違反の罪で、懲役5年の実刑判決を受けております。
一審判決があった124件の1件当たり平均の犯則税額は4,700万円、懲役月数は15.5ヵ月、罰金額は1,200万円となりました。
査察の対象選定は、脱税額1億円が目安といわれ、また、脱税額や悪質度合いの大きさが実刑判決につながります。
査察で告発されますと、社会的信用を失うだけでなく、巨額な罰金刑や実刑判決の可能性も十分にあります。

(後編へつづく)

(注意)
上記の記載内容は、令和2年9月7日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2020月10月20日

ノーベル賞学者が申告漏れ

がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発につながる研究でノーベル医学生理学賞を受けた本庶佑京都大特別教授が、2018年までの4年間で、特許料の使用対価である22億円の申告漏れがあったことを大阪国税局から指摘されていたことが分かりました。追徴税額は過少申告加算税を含め約7億円で、重加算税は課されなかったとみられています。

 

本庶氏は小野薬品と特許に関する契約を過去に締結。オプジーボの販売額の一部を特許の使用対価として受け取る予定でした。しかし本庶氏が望む対価を受け取れないなど契約に納得できない点があるとして、対価を受け取りませんでした。そこで小野薬品は、対価を法務局に供託していました。

 

国税当局はこの供託金について、実際に受け取っていなくても本庶氏の所得に当たると判断し、未申告だったため追徴課税の処分を下しました。ただ、税金のペナルティーとして重い「重加算税」の対象とはしませんでした。重加算税は隠蔽や仮装によって故意に税逃れをした納税者に課されるもので、本庶氏は見解の違いで申告しなかっただけで、重加算税の対象となる意図的な所得隠しには当たらないと判断されました。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2020月10月20日

経団連「研究税制の控除上限30%に」

経団連が2021年度の税制改正に向けた提言を発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大で収益が落ち込んでいる企業をフォローするため、研究開発費の一定額を法人税から差し引く「研究開発税制」について、控除の上限を法人税額の30%に引き上げるよう要求。コロナ禍の収束後を見据え、デジタル技術で社会経済を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)やサイバーセキュリティーに関連した投資減税も盛り込んでいます。

 

研究開発税制は、試験研究費の総額の一定割合を法人税額から控除できる仕組み。控除の上限は現在25%ですが、経団連は30%への拡大を求めました。過去にはリーマン・ショックの直後に期間を限定して30%に引き上げられたことがあり、企業の収益悪化が長期化して法人税額の減少が現実味を帯びる中で、今回も臨時の対応として必要と判断しました。

 

DXを巡っては、関連するソフトウエアや機器などへの投資のほか、在宅勤務や遠隔サービスを促進するための設備投資にも減税措置を講じるよう要請。文書への押印を必要とする業務をゼロベースで見直し、税務手続きのデジタル化・簡素化を図ることも促しました。また生じた赤字を翌年度以降の黒字と相殺できる欠損金の繰り越し控除について、上限の撤廃か大幅な緩和だけでなく、期間を10年超とすることも選択肢とするよう求めました。

 

提言は新型コロナで大企業の体力が弱まっているため、税制面で手厚く保護する必要性を強く説いた形になりました。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

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