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《コラム》公的年金の将来像

2019年10月8日コラム

◆公的年金財政検証結果

厚生労働省が5年に1度実施している公的年金の健康診断にあたる財政検証結果を公表しました。将来の年金水準についての検証では経済状況が異なる6つのケースを示しています。給付水準は現役世代の平均手取り収入に対する年金額の割合「所得代替率」という指標で示されています。
2019年度の所得代替率は61.7%です。1~3のケースでは29年度以降の20年~30年の間、女性や高齢者の労働参加が進んで経済成長率がプラスとなった場合では給付抑制が46年~47年までで終ります。ケース1で経済成長率が0.9%上昇した場合でも所得代替率は51.9%に下がります。一方、成長率が横ばいにとどまる4~5のケースでは賃金が伸び悩み抑制期間は長くなります。53年~58年頃まで抑制され所得代替率も44.5%~46.5%まで下がります。ケース6の長期マイナス成長の場合では36%~38%になると見込まれています。

 

◆年金の制度改革

日本経済のマイナス成長や労働参加者の増加が進まなければ年金の財政は厳しい状態となります。所得代替率を50%より下げないため政府は一定の年金水準を保てるよう対策案を出しています。
1.厚生年金の適用拡大のため、企業規模要件(従業員500人以上)の規模下げ
2.賃金要件(月収8.8万円)以上対象者の要件下げ
3.月収5.8万円以上の全雇用者に適用
4.基礎年金の保険料納付期間を40年から45年に延長
5.受給開始年齢75歳まで繰り下げて支給
6.65歳以上の在職老齢年金の廃止(この場合は年金原資は下がる)
7.上記の組み合わせやマクロ経済スライドフル発動

 

◆自助努力は必須に

今回の財政検証で年金額を最も増やす効果があるのは受給開始年齢を上げること、75歳から受給開始すると所得代替率は99.1%だと言います。今65歳で年金をもらい始めても年金抑制の仕組みで徐々に所得代替率が下がります。その影響は若い世代ほど大きくなるので自助努力で老後に備えることは非常に重要になっています。

 

設備投資計画はお早めに

2019年10月8日お知らせ

生産性向上特別措置法に基づく中小企業の設備投資減税の特例が、順調に適用件数を伸ばしています。設備にかかる償却資産税を3年間で最大全額免除するというもので、法人税の優遇とは異なり、赤字企業でも恩恵をフルに受けられるうれしい制度です。ただし手続きの際には各所に証明書や認定を申請する必要があり、今年中に設備投資を行って来年から税優遇を受けようと思うなら、そろそろ準備に取り掛からなければならない時期となっています。

 

中小企業庁によると、特例を利用した設備が、今年6月末までに10万の大台を突破したと発表しました。その取得金額は約8917億円で、それらにかかる償却資産税が3年間無税になったということです。

 

同制度で減免される償却資産税の割合は、最低でも2分の1、最大で全額と自治体に裁量が与えられています。どこまで軽減されるかは自治体によって異なりますが、中小企業庁が実施したアンケートによれば約95%の自治体がゼロ税率を採用すると答えていて、ほぼ全ての自治体でゼロ税率になると考えていいでしょう。

 

一つ注意したいのは、同特例は期限付きの特例であり、その期限は2020年末ということです。つまり税優遇を受けられるチャンスは、もう今年と来年の2回しか残されていません。そして特例の適用を受ける手続きには相応の時間がかかるため、今年の設備投資について優遇を受けたいなら、今から動き出しておきたいところです。まだ時間があると思ってのんびり構えていては、年の瀬になって慌てることになりかねません。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

【時事解説】銀行員と決算書 その2

2019年10月1日コラム

この事件の報道を聞いて私が驚くのは、決算書の正確性をなにより大切にすべき銀行員が、決算書の数値は自分が望むように操作できると思っているという決算書に対する認識の甘さです。
この不正に関わっていた個々の職員がどのような心の葛藤があったのかは分かりません。周りがやっているからということで何の迷いもなく決算書の改竄に手を染めたのか、あるいは上司に言われ、不本意ながら本当にやむを得ず、断腸の思いで不正に加担してしまったのか。もし前者だとしたら、銀行員の決算書に対する意識の低さに唖然としますし、彼らに対して改めて会計の倫理教育の徹底が必要となります。もし後者だとしたら、個人の正義感をも押し殺してしまう、組織と個人のあり方を問い直さなければなりません。

現在、AI(人工知能)が取って代わることのできる職務は何かということが雑誌などで盛んに特集されています。銀行の融資業務もAIで代替できる業務の一つとして取り上げられていますが、銀行のメイン業務である融資がAIに代わることの抵抗感は銀行及び銀行員の間では根強いはずです。融資がAIには代替できない理由の一つは、AIでは機械的な冷たい融資判断となるが、人間であれば、決算書の数値の行間を読んだ、柔軟な融資判断ができるという点にあります。しかし、柔軟な融資判断に、粉飾による不正な融資までも含まれてしまうとすれば、AIに冷徹に融資判断してもらった方がいいと言われても反論はできないでしょう。

今回の不正事件は銀行員のレーゾンデートル(存在意義)を揺るがす重大事件であるとの認識を銀行員は持たなければならないと思います。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

【時事解説】銀行員と決算書 その1

2019年10月1日コラム

スルガ銀行における書類の改竄による不正融資事件が大きな社会問題になっています。銀行員の書類改竄といえば、少し前には商工中金による決算書の改竄事件が話題になりました。私は決算書の正確性を何よりも重んじるべき銀行員が決算書の改竄に手を染めたことに驚くと同時に、これはこれからの銀行融資に思ったより打撃を与えるのではないかという思いを持ちました。そこで、本稿では商工中金事件を題材に銀行員と決算書の関係を考えます。

銀行員が企業融資の可否を判断する最も重要な資料は決算書となります。ですから、銀行員にとって決算書は重要であり、決算書の不正は許せないものであるはずです。上場企業の決算書は会計監査人の監査を得て、一応の正確性の外的担保はなされていますが、非上場企業の決算書にはそうした外的担保がないため、銀行員は経営者に適正な決算書の提出を強く求めます。にもかかわらず、その銀行員が決算書の不正に手を染めていたのでは、経営者に適正な決算書を作成してくれとはいえなくなります。

これまでの銀行における粉飾とは、そのままではとても融資ができないような内容の悪い会社の決算書の数値を良い方向に改竄し、不正に融資を引き出すというものでした。今回は逆に売上高や利益を悪い方向に操作して、公的な資金を引き出しています。通常の粉飾とは逆方向だから、許されるという性質のものではありません。どちらも決算書の数値を自分の都合のいいように恣意的に操作して不正に資金を獲得していることには変わらないのですから。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

(前編)地方税共通納税システムが、10月1日より稼働へ!

2019年9月24日税務トピックス

地方税共通納税システムが、2019年10月1日より稼働され、これにより複数の自治体への納税が一度の手続きで済むようになります。
また、全ての都道府県、市区町村へ自宅や職場のパソコンから電子納税ができます。

現在の納税手続きの多くは、地方公共団体が 送付した納付書に基づいて、金融機関等の窓口を通じて行われ、手続きが煩雑、納税者、地方公共団体それぞれに事務負担が大きいとされていました。
また、既存の電子納税は一部の団体のみが対応しており、それぞれに電子納税する必要がありました。
それに対して、地方税共通納税システムは、
①全地方公共団体へ電子納付が可能
②電子申告と合わせて申告から納税まで一連の手順で行える
③複数の地方公共団体への一括納付により、納付事務の負担が軽減される
④ダイレクト納付が可能
⑤地方公共団体が指定する金融機関以外からも納付が可能などの特徴があります。

地方税共通納税システムで取り扱う税目は、稼働当初においては現行のeLTAX電子納税の取扱税目を対象とし、将来的には、賦課税目等の追加も検討するとしております。

(後編へつづく)

(注意)
上記の記載内容は、令和元年8月5日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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