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税務トピックス 2017年1月31日

《コラム》米国会社の日本法人が合同会社である理由

◆米国の日本子会社は合同会社形態が多い
米国ウォルマートの日本法人である西友も、米国ケロッグ社の日本法人の日本ケロッグも、会社の形態は“合同会社”です。
平成18年の会社法により新しく設けられた形態である合同会社は、日本版LLC(Limited Liability Company)とも呼ばれ、「有限責任」、「(機関がシンプルなので)迅速な意思決定」、「利益や権限の配分を自由に設定(=内部自治原則)」等のメリットがあり、小さなビジネスにとっては使い勝手がよい事業形態と言えます。
一方、デメリットとしては、株式会社に比べて信頼性が低く見られがち、株主総会や決算書の承認手続きなどが不要なので何となく内部手続きにもしまりがないなどが挙げられます。

◆親会社の事情で合同会社が選ばれる理由
米国の会社が日本の子会社の会社形態として合同会社を選ぶ理由の一つに、米国本国における税務上のメリットがあります。
アメリカの税法には、チェック・ザ・ボックス規則というものがあり、要件に合えば、日本の子会社所得をパススルー課税(企業体には課税されずその構成員の所得として課税する)に選べる制度があります。
(注:日本の合同会社は普通に法人税が課税されます。日本での課税がなくなるわけではありません。)
米国税制で合同会社はパススルー課税の対象外として列挙されていないためアメリカ親会社側で税制上のメリットが生じます。
効果としては、立上げ初期時の欠損を支店と同様に米国株主の利益と相殺できることにあります。実際に支店登記すれば本店の資本金で均等割課税されるのでその分不利となりますが、パススルーであればそれを避けて米国でメリットを享受できます。

◆国外進出時に検討すべき大事なことの一つです
米国会社が日本進出する形態は必ずしも合同会社だけでなく、株式会社もあります。
会社形態の選択に際しては、税務上のメリット・デメリットの側面のみではなく、商業上その他の面からの検討も必要です。
外国へ事業進出する際には、本国および進出先の各制度をよく研究した上で、最善の選択を目指すことが肝要となります。

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