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税務トピックス 2021月03月9日

コロナ禍で「中小成り」急増

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、資本金を1億円以下に減資する企業が増えています。業績悪化による赤字で配当原資である利益剰余金が減る可能性に備え、補てんの原資を確保できるだけでなく、税制で「中小企業」の扱いとなり、法人税などで優遇措置を受ける狙いがあるとみられ、外食や航空、アパレルといった新型コロナによる経営悪化が顕著な業界が中心になっている状況です。ただ所得が多額で経営体力が底堅い企業が「中小成り」を悪用すれば、課税の公平性を保てなくなる恐れがあり、財務省や国税庁が警戒を強めています。

 

資本金が1億円以下の企業は、まず法人税で、所得が800万円までの部分について15%の軽減税率が適用されます。さらに年間800万円までは交際費の損金算入も認められるほか、過去10年以内に発生した税務上の繰越欠損金については100%が損金算入の対象になります。課税所得がマイナスになれば、前事業年度に納めた法人税の還付を受けることも可能。さらに地方税として取り扱われる法人事業税でも、外形標準課税が適用されずに済みます。

 

1億円以下への減資が活発になったのは昨年の夏からです。外食業界は居酒屋チェーン店の運営企業や寿司関連の企業で目立ちます。また需要が低迷する航空業界、アパレル業界が原資に向けて動いています。

 

中小企業を支援するための税制の特別措置を巡っては、適用のあり方がかねてより問題視されてきました。会計検査院は2010年に「財務状況が弱くない中小企業が適用を受けている」として、財務省に制度の改正を要求しています。国税庁幹部は「減資による税制優遇が適正なのか、新型コロナによる苦境の度合いも見極めて入念に検証しなければならない」と指摘しています。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2021月03月9日

支出内容で異なる教育資金贈与の上限

新型コロナウイルスの流行が、子どもの学習にも大きな影響を与えています。一斉休校で学習カリキュラムが予定通り進められなかったことや、多人数が集まる学習塾に子を通わせるのがためらわれることから、塾をマンツーマンに切り替えたりオンラインでの受講を選んだりする家庭もあるようです。

何かと教育にお金がかかる今の時代に、教育資金の一括贈与の非課税特例を活用しようと考えている人もいるでしょう。子や孫への1500万円までの一括贈与がすべて非課税になる制度ですが、出費の内容次第では、その上限額が3分の1の500万円まで減ってしまうこともあるので注意したいところです。ポイントは支出先が「学校教育法で定められた学校等」かどうかで、相手が学校であれば非課税上限は1500万円、学習塾や習い事の教室だと上限は500万円になります。

具体的に1500万円の非課税枠を使える支出にどのようなものがあるでしょうか。入試の受験料はセンター試験も国公立も私立大もすべて非課税となります。さらに入学が決まった後に払う入学料、学費も非課税。保育園の入園料や保育料も同様で、認可外であっても自治体の監督基準を満たす施設なら問題ありません。

一方、すでに学校を卒業した子や孫の奨学金の返済は、残念ながら教育資金として認められていません。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2021月03月2日

《コラム》売却活動前の測量費

相続した土地で駐車場を営む個人事業主が、土地活用の方針を決めるにあたり、隣地地権者と土地境界の測量を行い、その後、自身で活用する見込みがなくなり、当該土地の売却に転じた場合、測量費は譲渡所得の計算上譲渡費用を構成するでしょうか。

◆譲渡費用に該当するには

所得税法では、譲渡費用の範囲を①資産の譲渡に際して支出した仲介手数料、運搬費、登記若しくは登録に要する費用その他当該譲渡のために直接要した費用 ②借家人等を立ち退かせるための立退料、土地の上にある建物等の取壊費用、既に売買契約を締結したが更に有利な条件で他に譲渡するため当該契約を解除した際生じる違約金、その他譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用としています。
売却方針決定前に支出した測量費が譲渡のため直接要した費用に該当するかは、例えば不動産仲介会社に土地売却の意思を伝え、媒介契約を締結して売却活動に入り、買主が見つかり売買契約の中で境界確定が条件とされ引渡しに至れば要件を充たすものと思われます。

 

◆取得費または維持管理費となるとき

また譲渡資産の修繕費、固定資産税その他その資産の維持管理費用は、譲渡費用に含まれず、土地の測量費は各種所得金額の計算上必要経費に算入されたものを除き、土地の取得費に算入するとされています。
売却方針が定まらない場合には、測量費を取得費とするか、アパート賃貸への転用、駐車場の継続等を想定して隣地との紛争予防をはかるため不動産所得の必要経費(維持管理費)とすることが考えられます。

 

◆概算取得費に注意する

相続で取得した土地を譲渡する際、土地の取得価額が不明であれば、概算取得費として土地譲渡代金の5%相当額を控除することができます。
ただ、概算取得費を計上する場合、測量費など支出した取得費は、譲渡所得金額の計算上、控除できなくなりますので測量費を取得費とする場合は注意が必要です。
確定申告期限までに売却方針が決まらないとき測量費を維持管理費か取得費とするかを含め状況に応じた判断が求められます。

税務トピックス 2021月03月2日

ビットコイン脱税で初摘発

仮想通貨の取引で得た所得を隠し、約7700万円を脱税したとして、金沢国税局は会社員男性を所得税法違反の疑いで金沢地検に告発したと1月に発表しました。仮想通貨で得た利益を隠した事案が脱税として告発されるのは全国初ということです。

 

発表によると、男性は2017~18年にビットコインなどの取引で得た約1億9900万円の所得を確定申告せず、所得税約7700万円を脱税した疑い。男性は脱税で得たお金を株取引や不動産購入に充てていたそうです。
仮想通貨を巡る課税関係はいまだ議論が絶えませんが、現行制度では、FXや株取引で得た金融所得とは異なり、50%を超える最高税率が課される雑所得として扱われています。

 

今回の摘発事例のように脱税で得た実際の収入があるケースはともかく、価値の乱高下の激しい仮想通貨を巡っては、実際の収入が何もないにもかかわらず税法上で数億円の所得があるとされる〝瞬間億りびと〟も多いとされます。その理由は、国税庁が17年12月に公表した仮想通貨を巡る課税ルールにあり、ある仮想通貨を他の仮想通貨を購入する時の決済に使うと、そのタイミングで、他の仮想通貨の時価と保有仮想通貨の取得価額との差額の所得があったものとみなされるというものが関係しています。

 

つまり10万円でビットコインを買い、その後の価格高騰で1億円まで膨らんだ場合、それを使って6千万円分のイーサリアムなどを購入すると、現金化していなくてもその時点で3990万円の所得があったとみなされ、所得税が課されることになります。その後、買い替えた他の仮想通貨の価値が暴落すれば、手元に一度も現金がなかったとしても数千万円の税負担だけが残されることになります。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2021月02月23日

《コラム》贈与税の配偶者控除と登記

◆居住用不動産を贈与したときの配偶者控除

 

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除(配偶者控除)できます。
この特例の適用を受けるには贈与税の申告書と次の書面の提出が必要です。
①贈与日後10日経過後の戸籍謄本・抄本
②同戸籍の附票の写し
③居住用不動産の登記事項証明書等

 

 

◆店舗兼住宅の持分贈与を受けた場合

 

店舗兼住宅について、例えば居住用部分の50%の贈与をしたとして、登記面ではそれが全体の25%の持分贈与と表記されたとしても、居住用部分のみの贈与と扱われることになっています。
また、居住用部分がおおむね90%以上の場合は全て居住用不動産として扱うことができます。

 

 

◆居住用不動産贈与と相続税の扱い

 

配偶者控除適用居住用贈与不動産は、相続開始前3年内贈与加算の対象外です。
また、その贈与が相続開始年になされた場合は、その居住用不動産のうち、贈与税の配偶者控除があるものと仮定して控除される部分は、相続税の課税価格に加算されず、相続税の対象となりません。

 

 

◆所有権移転登記は要件か?

 

贈与の対象となった居住用不動産の登記事項証明書の添付は、この贈与税の配偶者控除特例の適用要件でした。でも、贈与による所有権移転登記そのものは、適用要件ではありません。
それで、平成28年に、贈与による居住用不動産取得の事実が確認できる書類を添付する事に省令改正されました。登記事項証明書は、その事実確認書類の一つの例示例となっています。

 

 

◆登記を要件にできない色々な理由がある

 

登記には第三者対抗要件はあるものの、義務ではなく、任意なので、税法の適用要件に登記を義務づけることは憚られるのだと思われます。
それに、店舗兼住宅での登記のように、居住部分のみの登記は受け付けられないし、大きな敷地の一部の居住部分の贈与の場合、分筆等が必要となる場合などを考慮すると、測量費なども含め、登記費用負担が居住用不動産贈与の特例適用の妨害要因になってしまうからなのだと思われます。

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