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コラム 2020月08月18日

《コラム》令和2年度 産業保健関係助成金

◆新たに副業・兼業者の健康診断を助成
独立行政法人労働者健康安全機構では、事業者が行う労働者の健康管理、健康教育などの産業保健活動を支援する事業を行っています。例えば、従業員50人未満でストレスチェックが努力義務となっている事業主に対し、実施促進のために支給するストレスチェック助成金など、以下の助成金があります。
<令和2年度版 産業保健関係助成金>
https://www.johas.go.jp/tabid/1689/Default.aspx
①治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース・制度活用コース)
②ストレスチェック助成金
③職場環境改善計画助成金(事業場コース・建設現場コース)
④心の健康づくり計画助成金
⑤小規模事業場産業医活動助成金
⑥副業・兼業労働者の健康診断助成金

この⑥が今年度から新たに設置されたものです。副業・兼業で働いている人は、一般に1つの企業での就労時間数が短く、健康診断の実施義務の対象外となってしまうことから、この助成によって実施を促進しようとするものです。

◆助成を受けるための要件
この助成金の対象となる「副業・兼業労働者」とは、a)40歳未満、b) 本業や副業を問わず、雇用されている全ての事業場において1週間の労働時間数が当該事業場における同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3未満、の2点となります。
助成額は、1労働者当たり1万円、対象者が複数いる事業場の場合は10万円が上限です。申請は5月29日から受け付けがスタートしています。
副業・兼業での働き方は、まだ法整備が追い付いていないこともあり、企業側にとっては対応が難しい部分もありますが、不安定な雇用環境を背景に広がっていくと考えられます。より優秀な人材を集めるためにも、助成金の活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

税務トピックス 2020月08月11日

愛知県の寺院が差し押さえの対象に

愛知県愛西市にある創建460年を超える寺院が、国税を滞納して墓地や本堂などを差し押さえられていたことが分かりました。公売にかけられて6月上旬に売却される予定でしたが新型コロナウイルスの影響で延期されています。

 

差し押さえを受けているのは、1556年に創建されたという久宝寺。同寺は2017年に名古屋国税局の税務調査を受け、住職が寺の資金約7千万円を私的な投資に流用していたとして、約5千万円について源泉徴収漏れを認定され、重加算税を含む追徴課税を受けました。

 

その後、寺は一部を納付したものの、数百万円が納付されなかったそうです。そのため国税局は、寺の墓地を含む境内の土地(約2700平方メートル)や本堂、書院、庫裏、車庫などを差し押さえました。

 

国税徴収法75条では、差し押さえできない財産として「礼拝または祭祀に直接供するため欠くことができない財産」に当たる神体、仏具などを挙げています。そのため同寺についても神体や仏具は差し押さえられなかった一方で、直接仏事に必要ではないとされる本堂や墓地などが差し押さえられたとみられます。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2020月08月11日

新型コロナで金密輸が増加か

今春に韓国から輸入した電動工具のなかに金塊18キロが隠されているのが中部国際空港で見つかり、名古屋税関が押収していたことが分かりました。金額で約1億円相当だと言います。新型コロナウイルスの影響で市場が混乱するなかで、安全な資産とされる金の価格は上昇傾向にあります。金の価格が上がるほど密輸による利ざやも拡大するため、当局は密輸の増加に目を光らせているところです。

 

押収された金塊は航空貨物として電動工具数十点のなかに隠され、工具の構造に応じて成形されていました。

 

金の価格は世界共通ですが、日本国内で売買をしようとすると消費税がかけられます。1億円の金塊を国内の貴金属店が買い取ろうとすると、売り主に対して消費税10%を上乗せした1億1千万円を支払わなければなりません。

 

これを踏まえ、国外から日本に金を持ち込もうとすると、税関であらかじめ消費税10%分を納めることが義務付けられています。税関で納めた分と売却時に得た分で差し引きはゼロになるわけです。しかし密輸すれば税関を通らないため、消費税分を納める必要がありません。そうして持ち込んだ金を国内で売却すれば、たとえ外国で正当な価格を払って金を入手していたとしても、消費税分がまるまる儲けになるわけです。昨年10月に消費税が8%から10%に引き上げられたことで、金密輸の〝旨味〟は増していることになります。

 

また新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、「有事の安全資産」ともいわれる金の価格は上昇傾向にあります。金価格が上がるほど消費税から生じる利ざやも拡大するため、今後も金密輸は増加する可能性が高いと言えます。

 

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2020月08月4日

《コラム》配偶者居住権は譲渡性資産か

◆配偶者居住権への昨年の税制措置

平成30年の民法改正で創設され本年4月1日から制度がスタートしている配偶者居住権等については、その権利設定期間中の権利放棄や合意解除は可能と解されるものの、民法では、終身性の一身専属権ゆえ「配偶者居住権は、譲渡することができない」と規定されています。
昨年の税制改正で相続税法に配偶者居住権等の評価規定が定められ、その上で、配偶者居住権等消滅に当たり対価がなければ、贈与課税の対象となる、と通達で明らかにされているところです。

 

 

◆配偶者居住権消滅の場合の譲渡所得

本年改正では、収用や権利消滅で補償金や権利消滅の対価を受け取り、その結果、配偶者居住権等が消滅するときは、譲渡所得の計算をすることになりました。
収用による配偶者居住権等の権利消滅の直接の相手は収用機関で、権利消滅の対価は譲渡収入とみなすとのみなし譲渡の規定になっています。
また、収用に限らず、配偶者居住権等の権利消滅一般の場合の規定も作られ、自動的に譲渡所得の計算をするとされ、こちらについてはみなし譲渡の文言はありません。

 

 

◆改正税法と民法規定との関係

みなし譲渡なら、民法の譲渡不可の規定と矛盾しないかもしれませんが、対価のある配偶者居住権の権利消滅につき無条件に譲渡所得計算をする、ということになると、配偶者居住権を譲渡性資産と認定するに等しく、民法との矛盾は明確です。
その上、収用では、借地権の場合と同じく、配偶者居住権者と所有者の両方が譲渡当事者となることを前提としていますが、税法は、収用以外の譲渡一般でも、そのようなケースが生じることを想定しているのかもしれません。

 

 

◆譲渡課税が当然との体制整備は未だ?

収用による権利消滅が譲渡で、土地建物所有者との合意や放棄による権利消滅も譲渡で、その他収用類似の権利消滅もみな譲渡だとすると、配偶者居住権は自ずと居住用の財産と認識されますので、居住用財産の3000万円控除、軽減税率、買換え特例の適用などについての手当が必要になってくるように思われます。
これらについて法改正を今年の4月1日以後に向けて何故に用意してないのか、不思議です。

税務トピックス 2020月08月4日

国税が「伝家の宝刀」裁判でまた敗訴

大手レコード会社「ユニバーサルミュージック」(東京)が組織再編に絡む約58億3850万円の課税処分の取り消しを求めた裁判で、東京高裁は処分を取り消した一審判決を支持し、国側の控訴を棄却しました。国は課税処分に際して、〝伝家の宝刀〟とも呼ばれる法人税法132条「同族会社の行為計算否認規定」を適用しましたが、一審に続き二審でも正当性を否定されたかたちです。

同社は2008年に行ったグループの組織再編において、前身の法人など3社の全株式を買収し、吸収合併する形で設立されました。問題となったのは、その際にグループの国外法人から借りた約866億円です。

同社は支払利息を損失として計上しましたが、東京国税局は「日本国内の音楽事業に実質的な変化がなく、一連の再編は所得を圧縮する目的で行われた租税回避だ」と指摘。損金算入を認めず、約181億2400万円の申告漏れがあったとして、計58億円超の追徴課税を決定していました。

同社の一連の行為は、税法になんら触れるものではありません。にもかかわらず申告漏れと認定されたのは、法人税法132条に定められた「同族会社の行為計算の否認規定」によるものです。同規定は、法人税の負担を「不当に減少」させる税務処理については、当局が税額を再計算できると定めています。つまり合法の範囲内で行われた処理でも、それが租税回避目的と認められれば否認できるということです。

税務処理が租税回避目的かどうかは、具体的には、「経済取引として不合理・不自然であるか」で判定されることとなります。つまり当局は、同社の組織再編を経済取引として不合理であると判断したわけですが、司法の判断は違いました。

法人税法132条に定める行為計算否認規定は、税法にのっとった税務処理であっても否認できるというその使い勝手の良さから、国税の「伝家の宝刀」と呼ばれています。しかし近年、この宝刀を巡り、国税の敗訴が続きます。16年には、IBM社の連結納税制度を利用した税務処理を法人税法132条を使って否認したものの、最高裁まで争って敗れています。今回のユニバーサル社を巡る裁判では、まだ上告が残っているものの、負ければ、〝刃の鈍り〟は決定的なものとなりかねません。

<情報提供:エヌピー通信社>

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